【専門家監修】乾燥肌になった時の対策方法4選!予防する方法や原因も解説
「寒い季節じゃないのに肌が乾燥するのはなぜだろう?」
「乾燥肌になってしまったら、避けた方がよいことってあるのかな」
「肌のかさつきって、保湿するだけで防げるの?」
乾燥肌になると、皮膚が粉っぽくなったりひび割れたりしてしまうことがあり、気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、肌が乾燥する原因や乾燥肌になりやすい人の特徴に加えて、肌が乾燥しないようにする方法を説明しています。また、具体的な乾燥肌対策の紹介もあります。
この記事を読むことで、日々の生活の中に気軽に取り入れられる乾燥肌対策を知れるため、うるおいに満ちた健やかな肌を保てるでしょう。
乾燥肌に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
《目次》
肌が乾燥する要因
わたしたちの体を覆っている皮膚は、人間の生命維持のために多くの役割を担っています。その中でも、ウイルスや紫外線などの外部刺激から体を守る「バリア機能」は、非常に重要な皮膚の働きの一つです。
しかし、何らかの原因で肌が乾燥するとこのバリア機能が失われてしまい、様々な皮膚疾患を引き起こす可能性があります。
ここでは、肌が乾燥する原因を外部要因と内部要因に分けて説明します。
出典:2021年10月度 今月の特集「皮膚の日」|独立行政法人 国立病院機構 福岡病院
参照:https://fukuoka.hosp.go.jp/information/monthly
肌が乾燥する内部要因
肌は、皮脂・天然保湿因子・角質細胞間脂質の3つの要素でうるおいを保っています。
「皮脂」には肌を保湿してくれる効果があり、「天然保湿因子」やセラミドが大部分を占める「角質細胞間脂質」は、肌内部の水分蒸発を防ぐ性質があります。そのため、これらが少なくなることで肌が乾燥してしまうでしょう。
肌のうるおいを保つ3つの要素が減少する原因には、日焼けや加齢、不規則な生活、ストレスなどがあげられます。
肌が乾燥する外部要因
秋から冬にかけての寒い時期は湿度が低下するため、肌が乾燥しやすくなるでしょう。さらに、エアコンの使用で室内の湿度が大きく低下した状況になることがあり、夏場も注意が必要です。
また、洗いすぎや擦りすぎなどの「間違ったスキンケア」も、肌のうるおいを保つ機能が失われる原因となります。
肌が乾燥しやすい人の特徴
赤ちゃんや思春期前までの子どもの肌は、皮脂量が少なく乾燥しやすいといわれます。また、肌のうるおいを保つ機能は加齢により低下するため、高齢者の肌も乾燥しやすいでしょう。
アトピー性皮膚炎や魚鱗癬(ぎょりんせん)、糖尿病などいくつかの病気の症状にも「肌が乾燥しやすい」というものがあります。さらに、がんの治療に使用される分子標的薬の副作用にも肌の乾燥症状が強く出るといわれます。
このように肌が乾燥しやすい人にとっては、専門医による治療や日々のスキンケアを適切に行うことが重要でしょう。
出典:乾燥肌とは?どんな人がなりやすい?セルフケアのやり方も紹介|あさ美皮フ科亀戸駅前
参照:https://asami.clinic/dry-skin/#:~:text=%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%AA%E4%BA%BA%E3%81%8C%E3%81%AA
乾燥肌の予防方法
肌の乾燥は、肌荒れやシワの原因になります。また、乾燥した肌はバリア機能が低下している状態です。そのため、外部から有害物質や細菌などが肌へ侵入することを防げず、炎症やかゆみなどの症状を引き起こす可能性もあります。
そのようにならないためには、乾燥肌を予防して肌のバリア機能を正常にすることが大切です。
ここからは、肌のうるおいを保つために効果的な方法を詳しく解説します。
刺激が強いクレンジング剤は使わない
肌のバリア機能を正常に保つためにはメイクをしっかり落とすことが重要です。しかし、誤ったクレンジング剤の使用により、乾燥肌になってしまう場合があります。
多くのクレンジング剤に使われている「界面活性剤」は、肌に残ることで肌内部の必要な水分や油分まで奪ってしまいます。界面活性剤が含まれているクレンジング剤を使用する際は、すすぎ残しがないようにしっかり洗い流すことが重要です。
こすり洗いをしない
汚れをしっかり落とすために指や手のひら、タオルなどで肌をこすり洗いしている人も多いでしょう。
しかし、摩擦によって肌がダメージを受けバリア機能が低下してしまうため、肌をゴシゴシと強くこすることは避けるようにして下さい。
洗顔料やボディソープをしっかり泡立てて、手のひらで泡を転がすようにして洗います。こすり洗いをしなくても十分汚れを落とすことができるでしょう。
出典:乾燥肌の症状とは?正しいケア方法を知ろう。|トキコクリニック
参照:https://www.tokikoclinic.com/new_columns/20231105/
保湿効果のある入浴剤を使う
お風呂上りは、肌に残った水分がすぐに蒸発してしまい乾燥しやすい状況です。そのため、保湿効果のある入浴剤を使用することで、全身の乾燥予防になるでしょう。
脱衣所ではなく浴室で体を拭くようにすると、入浴剤の保湿効果が持続するでしょう。
一年中加湿器を使う
湿度が低いことが乾燥肌の要因になるため、加湿器を使って室内の湿度を上げることも重要です。
エアコンの使用により、夏場でも室内の湿度が低くなる場合があります。そのため、空気が乾燥しやすい寒い季節のみではなく、加湿器は一年中使うようにしましょう。
オフィスなど自由に加湿器を使用できない場面では、ミスト化粧水などで直接肌を保湿することをおすすめします。
乾燥肌になってしまった際の4つの対策方法
しっかりと予防していても、乾燥肌になってしまうことがあるでしょう。ここからは、乾燥肌になってしまった場合の対策方法を4つご紹介します。
肌のバリア機能が低下した状態を放置してしまうと、様々な皮膚トラブルを招く可能性があるため、早めに対策をとるようにしましょう。
もし、乾燥によって強いかゆみや赤み、湿疹が出ているような場合は、すぐに専門医の治療を受けるようにして下さい。
水分をしっかり摂る
体内の水分が不足すると、血液がドロドロになるため血流が悪くなります。血行不良により代謝が低下することで皮脂の分泌量が減少し、肌が乾燥してしまうでしょう。
血行不良による肌の乾燥を防ぐために、こまめな水分補給を行いましょう。体温を下げることが目的ではないため、水分補給には常温の水や白湯がおすすめです。
また、しっかり水分を補給することで、細胞にも水分が行きわたります。そうすると、肌のバリア機能の向上が見込まれるため、肌にうるおいを取り戻すことができるでしょう。
出典:【コラム】意外と知らない?水分補給の利点|あおいファミリークリニック
参照:https://aoi.clinic/%e6%b0%b4%e5%88%86%e8%a3%9c%e7%b5%a6%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
バランスがとれた食事をする
皮膚や保湿成分の元になる栄養素をしっかり取るために、バランスのよい食事を心がけることも大切です。
特に摂取した方がよい栄養素には、肌の細胞を作るたんぱく質や、肌にうるおいを与える働きがあるビタミンA、皮膚の新陳代謝を促すビタミンB2・B6などがあります。
摂取した栄養素を細胞の隅々までしっかりと行きわたらせるために、血液循環を促進するビタミンEも積極的に取り入れるとよいでしょう。
出典:乾燥肌~肌のトラブルは内側から改善~|独立行政法人国立病院機構 三重病院
参照:https://mie.hosp.go.jp/common/letter/nl_1301_01.pdf
睡眠時間をきちんと確保する
睡眠不足は、肌の水分蒸発を防ぐ働きをする「天然保湿因子」が減少する原因の一つです。また、睡眠中に脳の下垂体から分泌される成長ホルモンは、深い眠りの時に分泌され、肌細胞の修復と再生を促す働きがあるといわれます。
そのため、十分な睡眠時間を確保することが乾燥肌対策には不可欠といえるでしょう。
出典:知っておきたい「睡眠と肌」関係性|アラジン美容クリニック
参照:https://aladdin-clinic.jp/1394″>https://aladdin-clinic.jp/1394/”>https://aladdin-clinic.jp/1394
出典:睡眠に大切な3つのホルモン|医療法人友広会 千里中央メディカルクリニック
参照:https://tomohirokai.or.jp/sleep/impo-tant-hormone/
乳液やクリームで保湿を徹底する
インナーケアに加え、外側から保湿剤で肌にうるおいを補う日々のスキンケアも重要です。保湿剤には多くの種類がありますが、成分としては肌の水分保持機能向上に効果のある「ヘパリン類似物質」が含まれているものがよいでしょう。
毎日使うものであるため、香りや成分など自分に合ったものを選ぶことが大切です。
乾燥肌を毎日のケアで対策しよう
近年はエアコンの使用により一年を通して室内が乾燥していることが多く、気温が下がり空気が乾燥する季節以外にも、肌のかさつきを感じている人が多いでしょう。
肌の乾燥をきちんと対策せずに放置してしまうと、かゆみや皮膚疾患につながってしまう可能性があります。
乾燥肌対策として紹介した4つの方法は、どれも乾燥肌の予防としても役立ちます。うるおいを保った健康的な肌のために、ぜひ日々のケアに取り入れてみて下さい。
監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)
順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。