【専門家監修】脂性肌は何が原因?よくあるトラブルや正しいスキンケア方法を紹介
「メイク崩れが起こらない化粧品ってないのかな?」
「顔のベタつきやテカリが気になるけど、どうしたらいいの?」
このように、脂性肌の人は多くの疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。
本記事では、脂性肌とはどのような状態か、脂性肌になる原因にはどのようなものがあるのかといった基礎知識から、化粧品を選ぶ際に押さえるべきポイントまで、脂性肌の悩みに寄り添った情報を紹介しています。
この記事を読むことで、脂性肌の人が気を付ける行動と、おすすめの化粧品がわかります。その知識をもとに自分の生活習慣やスキンケア方法を見直すヒントが得られ、化粧品選びがスムーズになるでしょう。
脂性肌をなんとかしたいと思っている方、化粧品選び苦労している方は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。
そもそも脂性肌とは?
脂性肌について説明する前に、皮脂について説明します。皮脂は毛穴にある皮脂腺から分泌される半流動性のある油脂状の物質のことで、肌や髪をうるおし、乾燥から体を守る役割を持っています。
脂性肌とはこの皮脂が過剰に分泌されることで、テカリ・ベタつきが見られる状態のことを言います。顔のテカリやベタつきを思い浮かべた人が多いかもしれませんが、実は頭皮、体といった顔以外の部分にも見られる現象です。
脂性肌でも、水分が少なく皮脂の分泌が多い状態は乾燥性脂性肌(インナードライ)と呼びます。
出典:脂性肌|医療法人 恵聖会クリニック
参照:https://www.keisei-cs.com/medical-treatment/skin/skin-oily
出典:インナードライとは?改善のポイントはこれ!|日比谷ヒフ科クリニック
参照:https://www.hibiya-skin.com/column/201908_06.html
脂性肌になる原因
脂性肌になる原因にはどのようなものが考えられるでしょうか。
この記事をご覧になっている方の中には、生まれつきと考える人も多いでしょう。実は日々の生活の中で脂性肌になる原因がたくさん潜んでいることがわかっています。
ご自身の日々のライフスタイルを振り返りながら、脂性肌になる原因についてみていきましょう。
間違ったスキンケアをしている
脂性肌になる原因の一つは、肌を適切にケアできていないことです。
皮脂を過度に取り除いたり、肌にダメージを与えたり、肌を乾燥させる行動は、皮脂を過剰に分泌させる原因となります。
脂性肌の方の中には、テカリやベタつきが気になるため頻繁に洗ったり、タオルや手で肌に過度に摩擦を与えていたり、ベタつくのが嫌で、保湿を控えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
間違ったスキンケアは脂性肌の原因になります。
出典:毛穴の開き、油性肌、ニキビ…毛穴のせい?|大城皮膚科クリニック
参照:https://oshiro-skin-clinic.com/blog/383/
生活習慣が乱れている
食生活の乱れも原因の一つだと考えられています。
主食である米やパン、動物由来の油の取りすぎ、ビタミン不足は皮脂分泌を促すと言われています。
米やパンなどタンパク質をたくさん摂取すると血糖値が急激に上昇し、血糖値を下げるためにインスリンの分泌が多くなります。インスリンは皮脂腺を刺激するため、皮脂の分泌が過剰になります。
偏食は皮脂分泌を促すため脂性肌の原因となります。
出典:脂性(あぶら症)|渋谷スキンクリニック
参照:http://shibuya-skin.com/dermatology/aburashou/
出典:食生活の乱れ|くみこクリニック北山院
参照:https://www.kumiko-clinic.jp/medical/acne/
ホルモンバランスが乱れている
ホルモンバランスの乱れも脂性肌の原因となります。
皮脂の分泌は男性ホルモンと関係しているため、ホルモンバランスが乱れることが皮脂の過剰な分泌を促し、脂性肌の原因になると考えられています。
男性ホルモンと聞くと、男性だけに関係すると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、女性の体でも男性ホルモンは作られているため、ホルモンバランスによる皮脂の過剰な分泌は女性にも起こります。
また、第二次成長期で男性ホルモンの分泌は活発になるため、思春期にテカリやベタつきに悩む方もいらっしゃるでしょう。
出典:脂性肌|医療法人貴愛会
参照:https://www.kiaikai.jp/ai-hifuka/5/4.html
出典:男性ホルモンは女性の身体にどう働くの? (1)|英ウィメンズクリニック(たるみクリニック)
参照:http://tarumi.hanabusaclinic.com/column/%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%81%AF%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E8%BA%AB%E4%BD%93%E3%81%AB%E3%81%A9%E3%81%86%E5%83%8D%E3%81%8F%E3%81%AE%EF%BC%9F-%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89/
ストレス・睡眠不足
ストレスや睡眠不足も脂性肌の原因になると言われています。
睡眠不足が肌に悪いというのは聞いたことがあるでしょう。ストレスが溜ったり睡眠不足になったりすると肌のターンオーバーが乱れるため、肌荒れや皮脂の過剰分泌につながります。
出典:脂性肌|医療法人貴愛会
参照:https://www.kiaikai.jp/ai-hifuka/5/4.html
出典:ターンオーバーの乱れを正常にして美肌美人に!|美容皮膚科タカミクリニック
参照:https://takamiclinic.or.jp/doctorscolumn/beautyskin/139065/
脂性肌によくあるトラブル
ここまで脂性肌の原因について見てきました。
ここからは脂性肌によって引き起こされる、肌トラブルについて見ていきます。ご自身に心当たりがないか考えながらご覧ください。
ニキビができる
多くの方がまず思い浮かべるのは、ニキビができることではないでしょうか。
ニキビは毛穴に皮脂がたまった状態のことで、正式には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と言います。
ニキビにはいくつか種類がありますが、毛穴に皮脂がたまって白く見える白ニキビ、毛穴につまった皮脂が酸化することで黒く見える黒ニキビ、毛穴にいる常在菌(アクネ菌)が皮脂を栄養に増殖し、炎症を起こしてできるものを赤ニキビと言います。
赤ニキビは治るのに時間がかかる他、ニキビ跡が残ってしまうこともあるため注意が必要です。
出典:ニキビの原因|タナカ皮膚科
参照:https://www.tanakahifuka.com/acne/
メイクが崩れやすい
過剰に分泌された皮脂はファンデーションをヨレさせる原因となります。
特にお仕事をされている女性の方の中には、化粧下地やファンデーション選びに苦労している方も多いのではないでしょうか。
黒ずみ毛穴になる
脂性肌に悩む人は、毛穴が黒ずんで目立つことがあります。
過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まることで、毛穴が開いたり、皮脂が酸化したりすることで黒ずむことが原因です。
特に鼻と小鼻周りは黒ずみが目立ちやすい箇所ですが、さらに化粧崩れがしやすい場所であるため、隠すのが大変な部分でもあります。
出典:脂性(あぶら症)|渋谷スキンクリニック
参照:http://shibuya-skin.com/dermatology/aburashou/
炎症を起こす
脂性肌の人の場合、炎症を起こして肌が赤っぽくなることもあります。
皮脂が過剰に分泌された肌は菌の増殖がしやすく、皮脂が分解される際に発生する遊離脂肪酸が肌に刺激を与えることで、炎症を起こしやすくなります。
少し赤らんだ肌は脂漏性皮膚炎と呼ばれ、頭や顔など皮脂の分泌が盛んな部分にみられます。
出典:脂漏性皮膚炎|新宿駅前クリニック
参照:https://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info/hihuka/shirouseihihuen.html
脂性肌の正しいスキンケア方法とは?
ここまで、脂性肌になる原因や、それによって起きる様々なトラブルについて紹介してきました。
脂性肌の人が、皮脂の過剰分泌を抑え、テカリやベタつきがなく、トラブルのない肌になるためにはどのようなスキンケア方法が良いのでしょうか。
最後に、脂性肌人向けのコスメや選ぶ際のポイントについて紹介します。
脂性肌人向けのコスメ・化粧品を選ぶ際のポイント
脂性肌人向けのコスメ・化粧品を選ぶ際のポイントを5つに分けて具体的に見ていきましょう。
おすすめのスキンケア製品だけでなく、ファンデーションや化粧を落とすためのクレンジングまで幅広く紹介します。
- 化粧水のテクスチャーが軽いものを選ぶ
- オイルコントロールの表記があるものを選ぶ
- ヒアルロン酸が配合されているものを選ぶ
- ファンデーションはパウダータイプを選ぶ
- クレンジングはミルク・ジェルタイプを選ぶ
化粧水のテクスチャーが軽いものを選ぶ
乾燥を防ぐことで皮脂の過剰な分泌を抑えられるため、化粧水はしっかり使いましょう。その際、化粧水はテクスチャーが軽いものをおすすめします。
化粧水は、さっぱり、しっとり、もっとしっとりなどテクスチャーによって分かれているため、ご自身の肌の状態に合わせて選びましょう。
オイルコントロールの表記があるものを選ぶ
皮脂の分泌をコントロールすることも重要です。
脂性肌の原因である過剰な皮脂の分泌は様々なトラブルを引き起こす原因となる一方で、皮脂自体は、肌を外部から守る機能もあるためです。
化粧水の中にはオイルコントロールと表記されているものもあるため、その中から選ぶこともおすすめです。
出典:オイルコントロール [oil control]|日本化粧品技術者会
参照:https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/233#:~:text=%E5%8C%96%E7%B2%A7%E3%81%8F%E3%81%9A%E3%82%8C%E3%82%84%E8%82%8C%E3%81%AE,%E7%9A%AE%E8%84%82%E3%82%92%E9%99%A4%E5%8E%BB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%EF%BC%8E
ヒアルロン酸が配合されているものを選ぶ
ヒアルロン酸が配合されていることも選ぶ基準の一つです。
ヒアルロン酸は私たちの体を構成する細胞の中にも存在する成分です。ヒアルロン酸には高保湿作用があることも知られており、ヒアルロン酸1gに対して6Lもの水を蓄えられると言われています。
乾燥を防ぐことで皮脂の分泌を抑えられるため、ヒアルロン酸が配合されている製品から選ぶようにしましょう。
出典:ヒアルロン酸ってどんなもの?知っておくべき基礎知識|東京形成美容外科
参照:https://tokyo-biyou.com/column/aging_care/wrinkle_hyaluronic_acid/10913/
ファンデーションはパウダータイプを選ぶ
特に仕事をされる女性にとっては、ファンデーション選びも重要なポイントの一つです。
ファンデーションはオイルの配合量によって剤型が分かれますが、その中でも油分が少ないファンデーションがおすすめです。一般的にクリームファンデーションやクッションファンデーションはオイル成分を多く含み、パウダーファンデーションは油分が少ないものが多いです。
また、パウダーファンデーションはカバー力も高いため、鼻や小鼻といった化粧崩れが目立つ部分の毛穴もカバーしてくれるものが多いのも選ぶポイントになります。
クレンジングはミルク・ジェルタイプを選ぶ
脂性肌の人にとってクレンジングの選び方は重要な要素です。
なぜなら、過剰に皮脂を取り除くことは脂性肌の原因となるためです。例えば、クレンジングオイルは洗浄力が高いことで知られており、メイクもしっかり落としてくれますが、皮脂も同時に落としてしまうため乾燥につながる可能性があります。
クレンジングを選ぶ際は洗浄力の穏やかなミルクやジェルタイプといったものを選びましょう。過剰に皮脂を落とすことなく、メイクや皮脂汚れを穏やかに取り除けます。
脂性肌の正しいスキンケア方法を知って肌トラブルを改善しよう
ここまで脂性肌について説明してきました。皮脂の過剰な分泌が起きている脂性肌には、正しいスキンケア方法と脂性肌に合った化粧品選びが重要です。
肌の乾燥を促すようなお手入れ方法を避けましょう。また、グリセリン、ソルビトールやヒアルロン酸といった保湿成分を含み、できれば、オイルフリーの記載がある化粧水がおすすめです。
監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)
順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。