コラム─ Column ─
2022.08.06

【専門家監修】キメが乱れる原因は?肌を整えるスキンケアのポイントも解説

「最近肌のキメが粗くなってきた気がするけど、どうしてなんだろう?」
「肌のキメはきれいでいたい、どうやってケアしていけばいいの?」
肌のキメが粗くなるとくすんだり毛穴が見えたり気になる人は多いのではないでしょうか。一方、肌のキメが細かく調子がいいと、自分の顔も明るく見えて気分もよくなります。

 

本記事では、肌のキメとはそもそも何を指すのか、肌のキメが整う、乱れるとはどういう状態なのかを解説します。また、原因ごとに肌のキメが乱れる理由と、整える方法を紹介しています。

 

本記事を読むと、肌のキメが乱れる原因を知り、気を付けた生活を送れます。また、乱れがちになったときに整える方法がわかり、すぐに実践できるようになるでしょう。

 

肌のキメの乱れによる肌状態になやんでいるなど、肌の調子を維持したい人はぜひお読みください。

そもそも肌のキメって何?

肌のキメとは、皮膚の表面に網目状に見える凹凸のことです。

 

肌表面には皮溝(ひこう)と呼ばれる溝と、皮丘(ひきゅう)と呼ばれるふっくらと膨らんだ部分があり、これらによって肌のキメは作られています。

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肌のキメが整っている状態とは?

肌のキメが整っていると美肌だといわれますが、どういう状態なのでしょうか。

 

キメが整っているとは、皮溝と皮丘で構成される肌の網目が三角形に揃っていて、メリハリがある状態のことをいいます。三角形は細かければ細かいほど肌が美しく、皮溝と皮丘のメリハリがあると光が乱反射して毛穴が目立ちづらくなります。

肌のキメが乱れているとどうなるのか?

逆に肌のキメが乱れているというのは、三角形の網目が不規則になり、皮溝が深く広く、皮丘には弾力性がない状態です。

 

キメが乱れると毛穴やシミが目立つようになります。さらに肌の潤いとハリが失われるので、化粧ノリが悪くなるほか、老けた印象や覇気のない印象を与えるようになります。

肌のキメが乱れる原因

肌がくすんだり老けた印象に見えたりする肌のキメの乱れは、さまざまな原因で起こります。

 

ここでは、紫外線や摩擦、乾燥など外部からの刺激、ターンオーバーや血流といった体の調子、年齢、生活習慣の視点から原因を解説します。

紫外線を浴びすぎている

日光に含まれる紫外線は、肌にとってダメージを与える存在です。紫外線が皮膚に到達すると、表皮細胞の遺伝子が損傷します。また遺伝子だけでなく、直接細胞や細胞膜にも作用し、真皮層にあるハリや弾力を担う美容成分の生成も阻害します。

 

人の肌には、受けた損傷を回復する機能が備わっています。日焼けのように紫外線を短時間浴びた場合は修復機能により回復しますが、慢性的に浴び続けていると修復機能が追い付かずに、皮膚の細胞や遺伝子の損傷が蓄積されていきます。

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慢性的な紫外線のダメージにより時間をかけて肌が変化することを「光老化」といい、しみやしわを引き起こします。

肌に強い摩擦や刺激を与えてしまっている

強い摩擦や刺激も肌のキメが乱れる原因です。肌は大変デリケートで外的刺激に弱く、すぐに肌荒れしてしまいます。摩擦や圧力はかけないようにしましょう。

 

日常生活では、水圧の高いシャワーを直接当てたり、力を入れて洗ったり、タオルで強くふいたりするのは肌のキメを乱す行為です。肌に刺激を与えないように、手で水をすくって洗ったり、タオルはこすらずにそっとあててふいたりして、肌に優しい使い方をしてください。

皮膚のターンオーバーが乱れている

肌のターンオーバーの乱れも肌のキメの乱れの原因です。

 

肌のターンオーバーとは、肌細胞の新陳代謝のことです。皮膚の内部で生まれた細胞が次第に外側の表皮に押し出され、垢になってはがれ落ちるまでの営みをいいます。部位によって異なりますが、顔はおよそ28日が理想的な周期とされています。

 

ターンオーバーが早すぎると、水分保持力のない乾燥肌や敏感肌になります。逆にターンオーバーが遅いと、古い角質がいつまでも皮膚に残り、皮膚がごわごわと固くなります。ターンオーバーの乱れによって、状態がよいとは言えない肌となり、キメが乱れてしまいます。

肌が乾燥している

乾燥した肌は肌荒れしやすく、肌のキメが乱れやすくなります。

 

肌が乾燥しているとは、通常よりも皮膚の水分と皮脂が不足し、肌のバリア機能が低下して肌荒れがしやすい状態です。また、乾燥によって皮丘の膨らみが減少し、皮溝がひろがったりなくなったりすることもあり、肌のキメが粗くなりガサガサしてしまいます。

年齢による衰えが出ている

年齢を重ねると次第に肌のキメが粗くなっていきます。

 

50代に入ると肌のターンオーバーの周期が45日になり、古い角質が代謝されずに皮膚に定着しくすんで見えてきます。また肌の水分保持力が低下することによって、肌のバリア機能が低下し肌トラブルが起きやすくなるのも加齢による症状です。

生活習慣が乱れている

生活習慣の乱れは肌のターンオーバーに影響し、肌のキメを乱れさせます。

 

睡眠不足になると、睡眠中に分泌される成長ホルモンが不足します。成長ホルモンによって食事で摂取した栄養素が吸収され細胞が活性化されるため、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が減少すると、肌だけでなく体調を崩す原因にもなります。

 

栄養が偏るなど、食事で必要な栄養素がとれないと肌の不調につながります。肌の元を作る栄養素であるタンパク質が不足すると肌の調子が保てません。また抗酸化作用や肌の調子を整えるビタミンは、ほとんどが体内で生成できないため、食事で摂取する必要があります。

 

運動不足も新陳代謝の衰えにつながりますので、注意しましょう。

血流が悪くなっている

血流の悪さも肌のキメの乱れにつながります。

 

肌トラブルの多くは、新陳代謝の衰えが原因であるといわれています。新陳代謝は細胞の生まれ変わりの営みで、新しい細胞が作られるためには栄養素と酸素が必要です。血流が悪くなると、新しい細胞生成に必要な栄養素と酸素が届けられなくなり、新陳代謝が悪くなります。

 

その結果、古い細胞が皮膚に残りキメの乱れにつながります。

肌のキメを整える方法

ここまでは肌のキメが乱れる原因を紹介しました。乱れる原因を避けることが大切ですが、乱れてしまったキメを整えたり、乱れないように維持したりすることもあわせて行うと効果的です。

 

肌のキメを整える方法を、手入れと生活習慣の2点から紹介します。

正しいスキンケアを心掛ける

肌のキメを整えるために、正しいスキンケアをしましょう。スキンケアで大切なのは、皮膚を清潔に保つこと、皮膚に潤いを与えること、刺激を避けて皮膚を守ることの3つです。

 

皮膚を清潔に保つ際は、皮膚に刺激の少ない石鹸をよく泡立てて優しく洗うこと、ぬるめのお湯でよく洗い流すこと、清潔なタオルでこすらずに優しく押さえて水分を取ることに気を付けてください。毎日、肌を清潔に保ちましょう。

 

皮膚を清潔に洗ったあと、肌を保護し潤いを与える。洗ったあと10分以内に保湿剤を塗ると効果的です。保湿剤は手のひら全体で押さえるようにたっぷりとぬりましょう。アルコールの入っていない、低刺激なものを使うようにしてください。

 

皮膚を刺激から守るためには、肌に触れる衣類は化学繊維を避けること、紫外線をなるべく浴びないことを意識してください。

日焼け止めを欠かさずつける

紫外線を避けるために日焼け止めを欠かさずつけましょう。

 

紫外線は波長の違いでUV-AとUV-Bに分けられます。UV-Aは肌の奥まで届き、しわやたるみといった老化を引き起こす原因で、生活紫外線と呼ばれます。一方UV-Bは皮膚の表面に作用し、赤みや発熱をもたらしたのちに、しみなど色素沈着を引き起こします。

 

UV-Aを防ぐ表記は「PA」、UV-Bを防ぐ表記は「SPF」で日焼け止め効果を表しています。

 

PA値やSPF値の高いものほど紫外線防止効果はありますが、肌への負担も大きくなりがちです。中程度のものを2~3時間おきに塗りなおす方が効果的ともいわれているため、こまめに塗りなおすことをおすすめします。

適度な運動をする

適度な運動は、健康な肌を保ち肌のキメを整えるのに効果的です。運動すると血流がよくなり全身の代謝がよくなります。またストレス解消、睡眠の質がよくなるとされています。

 

おすすめはウォーキングやヨガといった有酸素運動です。有酸素運動で取り入れられた酸素は、血液で全身を巡って代謝を向上させるほか、発汗作用をもたらすので、新陳代謝と肌の水分と油分のバランス調整が期待できます。

十分な睡眠をとる

肌のキメを整えるために十分な睡眠をとりましょう。

 

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、皮膚の細胞分裂を促し健康な肌を保つ機能を担っています。肌のターンオーバーを維持促進することで肌のキメを保つため、成長ホルモンの分泌は重要です。

 

成長ホルモンは睡眠中2時間から3時間の間隔で分泌されます。理想的な2サイクルを回すためには、最低6時間から7時間の睡眠時間をとるようにしましょう。

肌のキメを整える生活習慣を心掛けよう

肌のキメが乱れる原因と、肌のキメを整える方法をご紹介しました。

 

肌のキメを保つためには、乱す原因である紫外線や乾燥を防ぎ、適切な方法でスキンケアをすることが大切です。食事は栄養バランスに気を付け、適度な運動や十分な睡眠をとるなど、丁寧な生活習慣を心掛けるようにしましょう。

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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