【専門家監修】角栓の正体とは?できる原因や放置しておくと起こりうるトラブルもあわせて紹介
「角栓とは、どうやって肌にできるものなの?」
「毎日のスキンケアは、角栓を取り除くための意味がある?」
「角栓は指で押し出したり、引き抜いたりして除去してはダメなの?」
鏡を見て肌にぽつぽつと目立つ角栓があると、気になって仕方がない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、角栓の正体やできる原因、角栓が引き起こす肌のトラブル、角栓を除去し、新たに作らないようにする対処法などを解説しています。
記事を読むことで、角栓ができるメカニズムがわかり、角栓を作らないために、日常生活やスキンケアで気をつけるべき習慣を身につけることができるでしょう。
角栓が気になって毎日憂鬱になってしまうという方は、ぜひチェックしてみてください。
角栓の正体とは
小鼻や頬に多く見られる角栓とは、毛穴の中で古い角質と皮脂が混じりあい、毛穴をふさいでできるものです。
一般的に角栓は、肌の不要な脂が固まってできているもの、といったイメージを持たれることが多いでしょう。しかし、その成分のうち皮脂は3割ほどで、残り7割は古い角質であるタンパク質から構成されています。
肌に不要なものと思われがちな角栓ですが、毛穴からのウイルスや雑菌の侵入を防ぐ、門番の役割を担うものです。しかし、本来であれば自然に抜けて排出されていく角栓が、さまざまな原因により毛穴に詰まってしまうと、さまざまなトラブルの原因となってしまいます。
出典:角栓って何者?角栓の正体とは…|ららぽーと横浜クリニック
参照:https://lala-clinic.jp/article.php/20180521094940917
角栓ができる原因とは
角栓が大きくなり、目立ってしまう原因には、誤ったスキンケアだけでなく生活習慣も大きく関係しています。
ここから、角栓ができる原因としてあげられるものを解説していきますので、思い当たるものがないか、スキンケアのクセや生活習慣を振り返ってみましょう。
過度に洗顔しているから
肌のべたつきや毛穴汚れが気になって、1日に何度も洗顔したり、メンズ用のスクラブ洗顔を使用したりする場合もあるでしょう。しかし、過度な洗顔はさらなる角栓を作り出す原因ともいわれています。
洗顔をしすぎると、必要な角質まで無理にはがしてしまい、肌が乾燥しやすくなります。肌が乾燥することにより、皮脂の分泌や角質の再生が過剰に促されることで、毛穴が詰まり、角栓が目立つようになっていくのです。
出典:角栓って何者?角栓の正体とは…|ららぽーと横浜クリニック
参照:https://lala-clinic.jp/article.php/20180521094940917
睡眠不足であるから
睡眠不足は美肌の大敵、という言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。毛穴の開きや角栓の悩みは、睡眠不足から引き起こされているケースも多いのです。
肌の新陳代謝を正常に保つには、成長ホルモンと女性ホルモンのはたらきが欠かせません。成長ホルモンは肌の新陳代謝を促し、女性ホルモンは皮脂の過剰分泌につながる男性ホルモンのはたらきを抑制するはたらきがあります。
睡眠不足になると、肌をなめらかにする成長ホルモンの分泌が少なくなるうえ、男性ホルモンのはたらきで皮脂の分泌が活発になり、毛穴がふさがりやすくなっていきます。これが、睡眠不足で肌が荒れるといわれる原因です。
出典:睡眠について|一般社団法人小郡三井医師会
参照:http://www.ogorimii-med.net/column/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
メイクをきちんと落としていないから
毛穴を隠そうと日常的にコンシーラーや毛穴用の下地を塗り込んでいると、クレンジングで落としきれず角栓が目立ってしまう原因にもなります。また、薄いメイクでも汚れがたまった状態で就寝せず、かならずクレンジングをおこないましょう。
クレンジングで落としきれない汚れは、ダブル洗顔でしっかり落とします。脱脂力の強すぎる洗顔料は乾燥を招くため、肌にやさしい石鹸素地を使った洗顔石鹼などがおすすめです。
角栓ケアを重視する場合は、冷水での洗顔では余分な皮脂や汚れを落としきれないため、肌に負担をかけないよう、体温と同じ程度のぬるま湯での洗顔がよいでしょう。
脂質や糖分を過剰に摂取しているから
動物性たんぱく質や脂質、糖分を過剰に摂取していると、皮脂の分泌が増え、角栓ができやすくなるといわれています。
チョコレートやドーナツなどの甘いお菓子を日常的に摂取する習慣がある場合は、食べる量をセーブしましょう。また、お酒にも糖分が多く含まれています。アルコールを摂取すると、揚げ物などのおつまみも多く食べてしまう場合があるため、注意が必要です。
出典:毛穴|日比谷ヒフ科クリニック
参照:https://www.hibiya-skin.com/subject/keana.html
ターンオーバーのサイクルが乱れているから
肌は体のほかの部分の細胞と同じく、新陳代謝を繰り返しており、これをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーのサイクルの乱れは、角栓ができやすくなる大きな原因のひとつといえるでしょう。
通常、理想的な顔の肌のターンオーバー周期は28日程度といわれています。ターンオーバーがスムーズにいかなくなると、自然にはがれ落ちる角質が肌に残ってしまい、過剰に分泌された皮脂と混じりあって角栓となってしまうのです。
角栓が目立たないなめらかな肌を維持するためには、ターンオーバーをスムーズに保つことが重要といえるでしょう。
出典:角栓って何者?角栓の正体とは…|ららぽーと横浜クリニック
参照:https://lala-clinic.jp/article.php/20180521094940917
角栓を放置しておくと起こりうるトラブル
角栓を肌の上に放置してしまうと、さらなる肌のトラブルを招く可能性があります。
ここから紹介する事例は、角栓をきっかけに起こりやすいトラブルでもあるため、肌をすこやかに保つためにもトラブルについて学んでおきましょう。
毛穴が黒ずむ
角栓はできたすぐは白色のためひどく目立つことはありませんが、長期間肌に残り皮脂が酸化するにつれて黒ずんでいきます。
とくに黒ずみが目立つのは、皮脂の分泌が多く角質がたまりやすい鼻の頭や小鼻部分で、この状態がいわゆるいちご鼻といわれています。毛穴が黒ずむまで放置してしまうと、角栓の改善は難しくなっていくため、早めの対処が必要といえるでしょう。
出典:毛穴のつまりや角栓の原因とは?クリニックによる5つの治療で改善できる|アイシークリニック
参照:https://ic-clinic.com/female/clogged-pores/
ニキビの原因になる
角栓による毛穴のつまりは、ニキビの原因になるともいわれています。これは、角栓が毛穴をふさぐことで、アクネ菌の増殖や皮脂のつまりを引き起こしてしまうのが大きな要因です。
ニキビはアクネ菌が原因といわれていますが、アクネ菌自体は毛穴の中に常在しています。角栓により皮脂が毛穴にたまり、アクネ菌やほかの細菌が皮脂をエサにして増殖し、炎症を起こすと考えられているのです。
出典:角栓除去|美容皮膚科タカミクリニック
参照:https://takamiclinic.or.jp/service/blackhead/
おすすめできない角栓ケアとは?
頑固に毛穴に残る角栓を目にすると、すぐにでも消してしまいたい、という場合もあるでしょう。しかし、角栓を無理やりに除去するのは肌の状態を悪化させてしまう可能性があるため、おすすめできません。
ここから、肌をなめらかに保つために、避けるべき角栓ケアを解説していきます。
角栓用のはがすパックを使用する
角栓用のはがすパックは昔からありますが、角栓対策にはおすすめできません。目に見えて角栓が取れるため、一見効果的に思えても、肌へのリスクが大きいのです。
毛穴の角栓を除去するためにパックを使用すると、角栓を除去したあとの毛穴が大きく開いてしまいます。また、強い刺激があるため、使用後に炎症などを引き起こし、角質が厚くなってしまう可能性もあるでしょう。
出典:毛穴治療|美容皮膚科タカミクリニック
参照:https://takamiclinic.or.jp/service/pore/
角栓を押し出し出す
毛穴に詰まった角栓を、指で無理やり押し出すのはやめましょう。爪やピンセットで出ている角栓を引き抜くのも、毛穴の開きにつながってしまいます。
角栓の無理な押し出しやピンセットなどでの引き抜きは、肌への摩擦や刺激で皮脂の分泌が増加し、刺激により発生する炎症などから角質が厚くなって、さらなる肌のトラブルを引き起こしかねません。
出典:毛穴のつまりや角栓の原因とは?クリニックによる5つの治療で改善できる|アイシークリニック
参照:https://ic-clinic.com/female/clogged-pores/
角栓ができたときの対処法
角栓が目立ってきたり、ざらつきが気になってきたりしたら、どのようなケアをおこなうのがよいのでしょうか。
ここからは、肌にやさしく負担をかけない角栓ケアの方法を解説していきます。
化粧水を利用してふきとり美容をする
不要な角質を落として角栓のざらつきを解消するには、化粧水を使ったふきとり美容がおすすめです。ただし、肌に刺激を与えないようにするには、いくつかのポイントをおさえる必要があります。
まず、指の圧力がかかりすぎないよう、コットンは厚めのものを使用するか、2枚重ねにするのがおすすめです。コットンの繊維の摩擦を減らすために、裏までひたひたになるよう化粧水をたっぷりと含ませてください。
額や頬などの広い部分は反対側の手で肌を固定し、やさしくコットンを顔の中心から外側へ向けてすべらせます。鼻周りはコットンを二つ折りにして、タップするようにやさしくおさえてください。
ホットタオルを利用する
ホットタオルをクレンジングと洗顔の前におこなうことで、角栓を除去しやすい状態にすることができます。角栓の大部分を占める古い角質であるたんぱく質は硬いため、温めることで緩んだ皮脂により角栓を自然に取れやすくする方法です。
フェイスタオルを濡らして絞り、電子レンジに入れ、500Wで30秒~1分ほど加熱します。お湯で作る場合は45℃~50℃程度の熱いお湯を使用するため、やけどに注意してください。
温めたタオルで顔を包み、2~3分経過したらタオルをはずしてクレンジングをおこないます。
熱すぎる場合は肌への刺激になってしまうため、心地よい程度の温度のホットタオルを使用してください。また、肌がデリケートだったり、赤みが出やすかったりする場合は、ホットタオルの使用は控えましょう。
角栓をなくしたい人におすすめしたいこと
角栓をなくすには、肌のターンオーバーを整える必要があります。ターンオーバーを整えるために、生活習慣の見直しや正しいスキンケアをコツコツ続けていくのが効果的です。
ここからは、角栓の悩みを解決するための対策法を解説していきます。
睡眠不足を改善する
肌のターンオーバーは睡眠中におこなわれるため、睡眠不足を改善することが大切です。
また、十分な睡眠をとることで、成長ホルモンや女性ホルモンなどの肌に欠かせないホルモンの分泌も促されます。肌のターンオーバーを正常に整えるため、毎日の睡眠時間を十分に確保しましょう。
出典:睡眠について|一般社団法人小郡三井医師会
参照:http://www.ogorimii-med.net/column/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
バランスのとれた食生活を心がける
ファストフードや甘い食べ物を摂取するのを控え、できるだけバランスのとれた食生活を心がけましょう。
とくに、肌の新陳代謝を助けるはたらきを持つ、ビタミンB群を摂るように意識してみてください。ビタミンB2は過剰な皮脂分泌を抑え、ビタミンB6にはターンオーバーを促す効果が期待できます。
ビタミンB2は豚レバーやうなぎ、納豆などに含まれ、ビタミンB6はマグロの赤身や牛レバー、サンマなどに多く含まれます。ほかのビタミンB群や栄養素とバランスよく摂取しながら美肌を目指しましょう。
出典:ビタミンB群|一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
参照:https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_b/
洗顔後しっかりと保湿する
洗顔後はオイルフリーの化粧水などを使用して、しっかりと保湿しておきましょう。
べたつきを気にして保湿をしないと、肌が乾燥してしまい皮脂の過剰分泌につながるでしょう。また、うるおった肌は外部からの刺激にも強く、ターンオーバーも正常におこなわれます。逆に乾燥が気になる場合は、オイルフリーのエッセンスなどで保湿力を持続させましょう。
出典:バッサのこだわり|WASSER
参照:https://www.wassershop.jp//concept/
帰宅したらすぐにメイクを落とす
メイクを早めに落として、角栓の原因になる毛穴の汚れや老廃物をその日のうちに取り除いてあげましょう。
急いでいても、ふきとりタイプのメイク落としシートなどは肌に余計な負担をかけるためおすすめできません。べたつきが気になる場合はウォーターベースのクレンジングでメイクを落とし、洗浄力の強すぎない石鹸などでやさしく洗顔してください。
出典:いちご鼻にバイバイしよう!いちご鼻の原因と効果的なスキンケア|美容皮膚科タカミクリニック
参照:https://takamiclinic.or.jp/doctorscolumn/pore/139061/
角栓ができる原因を理解して正しいケアを心がけよう
ここまで、角栓ができる仕組みや原因、角栓を目立たなくさせるための対処法などを解説してきました。
気になる角栓を除去してすこやかな肌へ導くには、正しいスキンケアと生活習慣の改善が必要といえます。また角栓を無理やりなケアで除去するのは、肌への負担が大きくトラブルにつながるため、避けてください。
ここで紹介した正しい角栓ケア方法や、肌にやさしいスキンケア習慣で、ターンオーバーを正常に導き、なめらかな肌を目指しましょう。
監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)
順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。