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【専門家監修】防腐剤フリーや不使用の化粧品は安全?パラベンについても解説

「化粧品に含まれている防腐剤ってなに?」
「防腐剤は安全なの?」
「防腐剤がない化粧品の方がいいの?」
化粧品の成分表示を見たとき、防腐剤フリーの化粧品がありますが、化粧品に含まれる防腐剤が何のために入っているのか、入っていない方がよいのかよく分からない方は多いのではないでしょうか。

 

本記事では、化粧品に使われる防腐剤の役割や防腐剤フリーとはどういうことなのか、防腐剤としてよく用いられるパラベンについてや化粧品を選ぶポイントなどを紹介しています。

 

この記事を読むことで、化粧品に含まれる防腐剤についての知識を得られるでしょう。その知識を元に、自分の肌に合った化粧品を探せるようになります。

 

化粧品に含まれる防腐剤について知りたい方、化粧品の選び方を知りたい方はぜひご覧になってみてください。

化粧品に使われる防腐剤とその役割

化粧品に使われる防腐剤には、細菌や酵素によって化粧品が変質することを防ぐという役割があります。そのため、多くの化粧品には防腐剤が使われています。簡単に言えば、化粧品が腐ってしまうことを防ぐのが防腐剤ということです。

 

防腐剤が使われている化粧品を使っても安全なのか、心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし化粧品に使われている防腐剤は基本的に、化粧品基準によって使える成分や配合量が定められています。

 

出典:化粧品基準|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000491511.pdf

防腐剤フリーや不使用の化粧品は安全なのか?

防腐剤は本来、化粧品が変質して使用者に悪影響を及ぼすことを防ぐために使われている成分です。しかし防腐剤と聞くとイメージが悪く、肌に直接つける化粧品にそういった添加物が使われていることに抵抗を感じる人も少なくないでしょう。

 

近年人気の防腐剤フリーや防腐剤未使用の化粧品は、防腐剤以外の何らかの成分が防腐剤と同じような働きをしていれば安全と言えるでしょう。一方で、防腐剤と同じような働きをする成分が含まれていなければ、化粧品の変質が起こりやすく使用期限が短くなる場合もあります。

 

出典:化粧品の化学的防腐 についての諸問題|J-STAGE
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj1970/7/1/7_1_15/_pdf/-char/ja

防腐剤フリーや防腐剤不使用の意味

「防腐剤フリー」や「防腐剤不使用」とされている化粧品は、正確に言えば、防腐剤として認定されている成分が使われていないことを示すものです。

 

基本的に、多くの化粧品に防腐剤は含まれています。化粧品を変質させないためには、防腐剤は必要な成分であるためです。そのため、防腐剤フリーや防腐剤不使用と表示されている化粧品でも、別の防腐効果のある成分が入っている可能性は高いでしょう。

 

出典:化粧品基準|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000491511.pdf

天然の防腐剤が配合されている可能性がある

防腐剤フリーや防止剤不使用と表示された化粧品でも、防腐剤として認定されているもの以外、例えば天然の防腐剤が配合されている可能性は充分にあります。

 

天然の防腐剤としては、ローズマリーエキスやオレンジオイル、ラディッシュエクストラクトやグレープフルーツシードエクストラクトなどがあります。防腐剤として認定されている成分ではなく、これらの天然の防腐剤で化粧品の変質を防いでいます。

保湿成分として抗菌剤などが配合されていることがある

防腐剤として配合するのではなく、保湿効果をもった抗菌剤を配合することにより、防腐剤フリーや防腐剤不使用としている化粧品もあるでしょう。

 

こちらは防腐剤の代わりに、抗菌剤を配合することで化粧品に菌が繁殖することを防いでいます。また、抗菌剤といっても保湿効果を持っているものを使用していれば、保湿成分として表示できるため、成分表示を見ただけでは抗菌剤を配合していることが分かりづらくなります。

ボトルの工夫や使用期限により防腐剤を使用していないものもある

細菌が混入しにくい形状の容器にしたり、ボトルを小さくして化粧品を早く使い切れるようにしたり、使用期限を設けたりしている化粧品には、防腐剤やその代わりになる成分を一切配合していないものもあります。

 

小さな容器であれば、化粧品が変質してしまう前に使い切れるでしょう。また使用期限が表示されていれば、使用期限内に使い切るため問題ないという考えのもと、防腐剤が使われていないことがあります。

 

およそ1ヵ月から1ヵ月半が使用期限になっている、あるいはその位で使い切れるような量の防腐剤フリーの化粧品は、こちらの可能性があります。

化粧品に使われる防腐剤パラベンとは?

化粧品でよく防腐剤として使われているパラベンとは、「パラオキシ安息香酸エステル」といいます。

 

パラオキシ安息香酸にアルコールをエステル化することで得られる化学物質が、パラオキシ安息香酸エステル、通称パラベンです。食品添加物として、醤油や酢、果実ソースなどに使ってもよいとされていますが、近年では食品添加物としてはあまり使われなくなっています。

 

出典:食品添加物パラオキシ安息香酸エステル類について|内閣府食品安全委員会
参照:https://www.fsc.go.jp/sonota/sonota_qa/parahydroxy_esters.pdf

パラベンの種類

パラベンといっても9種類以上のさまざまな種類がありますが、中でもよく用いられているものは「メチルパラベン」、「エチルパラベン」、「プロピルパラベン」、「ブチルパラベン」の4種類です。

 

抗菌作用が強い順にするとブチルパラベンからプロピルパラベン、エチルパラベンからメチルパラベンとなります。しかし、どの種類のパラベンが配合されていたとしても表示はパラベンになるため、実際にどのパラベンが使われているのかは分かりにくいでしょう。

パラベンフリーが良いとされる理由

パラベンのような添加物は、ときに皮膚の痛みの原因や、肌のトラブルの原因になることがあるとされています。このことから、パラベンフリーがよいと考えられるようになってきたのでしょう。

 

パラベンの中でもよく使われる種類は4種類ですが、その中でも抗菌作用がもっとも低いとされているメチルパラベンについて、痛みを生じさせる可能性があるとされています。現在ではあまり使われていませんが、メチルパラベンは化粧水などによく使われていました。

 

出典:化粧品の防腐剤が皮膚の痛みの原因に|科学技術振興機構
参照:https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20070614_01/index.html

自分に合った化粧品を選ぶポイント

ここでは、自分に合った化粧品を選ぶポイントを紹介していきます。

  • 肌の調子を確認する
  • 使用期限を確認し開封後は早めに使い切る
  • 信頼できる会社の化粧品を選ぶ

肌の調子を確認する

新しい化粧品を使うときは、なるべく体調がよく肌の調子もよいときにしましょう。また、実際に化粧品を使う前に「パッチテスト」として、皮膚の柔らかい部分に少しだけ化粧品をつけ、しばらく放置して肌に影響が出ないか確認しましょう。

 

パッチテストをしてくれる皮膚科もあります。とくに肌が弱い人は、自分がどの成分に弱いのか知るためにも、やってみることをおすすめします。自分が使えない成分を知っていれば、化粧品選びが楽になるでしょう。

 

もしパッチテストの段階で赤みがでたりかゆくなったりした場合は、使用を控えた方がよいでしょう。

 

出典:接触皮膚炎|日本橋いろどり皮ふ科クリニック
参照:https://www.irodori-hifuka.jp/contact-dermatitis/

使用期限を確認し開封後は早めに使い切る

化粧品には使用期限がないものが多く、そういった化粧品は未開封の状態ならば通常3年はもちますが、開封後はその限りではないため早めに使い切りましょう。

 

防腐剤不使用の化粧品の中には、使用期限が記されている化粧品もあります。その場合は、使用期限を守って使うことが大切です。もし開封から日数のたった化粧品を使う場合は、使用する前に匂いや見た目を確認し、変質していないかチェックしましょう。

 

出典:化粧品の使用期限|皮膚科ちえこクリニック
参照:https://chiekocl.com/2016/02/20/siyoukigen/

信頼できる会社の化粧品を選ぶ

化粧品を購入する際には、信頼できると判断した会社の化粧品を選ぶことが大切です。

 

周囲の評判のよい会社の化粧品や、配合している成分を全て表示しているような会社の化粧品を選ぶとよいでしょう。化粧品は顔につけるものであるため、慎重に選びましょう。

防腐剤フリーの意味を理解して自分に合った化粧品を選びましょう

化粧品には防腐剤フリーと表示されているものがありますが、実際には天然の防腐剤が配合されていたり、抗菌剤が配合されている場合があります。

 

防腐剤フリーとはどういう意味なのかを理解した上で、自分に合った化粧品を選ぶポイントを参考に、化粧品を選んでみましょう。

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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