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【専門家監修】ニキビ肌への保湿ケアのポイントは?化粧品の選び方も解説

「ニキビができやすくて悩んでいるが、肌をきれいに保つには?保湿するときのポイントは?」
「ニキビ肌質の場合、どんな化粧品を選べばいいの?」
このように、ニキビ肌にお悩みの方には疑問点や心配事が数多くあるのではないでしょうか。

 

本記事では、ニキビのできる要因から保湿ケアのポイント、どのような化粧品を選ぶとよいかなど化粧品成分が肌に与える影響や効果を伝えるとともに、正しい保湿対策まで解説しています。

 

この記事を読むことで、ニキビ肌に必要なケアの方法や化粧品の選び方が理解できます。その理解をもとに自分の肌の状態に合わせた化粧品が選ぶことができ、正しい保湿対策するための知識も得られるため、ニキビのできにくい肌環境を整えられるでしょう。

 

ニキビ肌の正しい保湿ケア方法を知りたい、プチプラでニキビを抑えて美しい肌を保ちたいという方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

ニキビ肌への保湿の重要性

ニキビ肌の保湿スキンケアはとても重要です。その理由は、保湿が十分でなければ肌が乾燥状態になり、ターンオーバーが乱れ、角層が厚くなってしまうため古い角質が毛穴を塞ぐことになります。これがニキビの原因です。

 

適度に保湿すれば、肌の調子が整い皮脂もコントロールされます。

ニキビができる要因

ニキビができる要因は、皮脂分泌が増加することにより毛穴が詰まったり、アクネ菌が増殖したりすることにあります。

 

思春期にホルモンの分泌が活性化したり、ストレスが原因でホルモンが過剰になったりすることで、皮脂腺から皮脂が多く分泌されます。

 

肌の細胞にはターンオーバーの機能があり、一定周期で生まれ変わるようになっています。このターンオーバーが乱れると、毛穴の出口の角層がはがれず厚くなり、出口を塞いでしまいます。これが毛穴の詰まりです。

 

またアクネ菌は肌の常在菌であり、誰もが持っているものです。毛穴が詰まり、皮脂が充満するとアクネ菌はどんどん増えていきます。こうして増えたアクネ菌は炎症を引き起こして、赤いニキビとなります。

ニキビ肌への保湿ケアのポイント

保湿とは、ニキビを予防または改善するためにニキビの原因となるアクネ菌・皮脂・毛穴の詰まりという3つの因子にアプローチすることで、ニキビのできにくい環境に肌を整えることです。

 

つまり保湿で肌を整えるためには、肌に適した保湿剤を選び肌に潤いを与えることが重要です。毎日やさしく保湿し、ニキビのできにくい肌環境に整えましょう。

  • 朝晩を目安に保湿する
  • 洗顔後すぐに保湿化粧品をつける
  • 適切な使用量で使う
  • 保湿化粧品は肌へやさしくつける
  • にきびが治ったあとも保湿を続ける
  • 保湿ケアと同時に生活習慣を見直す

朝晩を目安に保湿する

朝は、睡眠時に出た汗や皮脂汚れを落とし日中のダメージから肌を守るために保湿し、夜はメイク・外気でついた汚れを落とし日中に受けたダメージから肌を回復させるために保湿する、つまり1日2回(朝晩)を目安に保湿することが大切です。

 

保湿しすぎは皮脂の分泌を乱してしまうので、ニキビができてしまったり毛穴の開きを悪化させてしまったり、肌にかゆみを感じたりすることになるため注意が必要です。またたるみや皮膚炎の原因にもなりかねないため、自分に合った方法と量で正しく保湿しましょう。

 

ただし、乾燥肌がひどい場合には保湿の回数を増やしましょう。さらに種類の違う保湿剤を重ねづけすることもできます。

洗顔後すぐに保湿化粧品をつける

洗顔後は、5分程度で肌の水分量が減少します。つまり、洗顔する前の状態よりも乾燥した状態になってしまいます。できるだけすぐに保湿するようにしましょう。

 

ただし、コットンを使用するとニキビのできやすい脂性肌には刺激になってしまいます。手のひらを使ってやさしく保湿しましょう。

適切な使用量で使う

充分な保湿効果を求めるなら、使用量が大切です。製品に記載されている使用量に従って使います。

 

清潔にした手のひらに保湿剤(化粧品)をとって両手の上に広げ、乾燥しやすい部分からつけていきます。そして最後に手のひらの全体で顔を包み込むようにしながらつけます。

 

間違ったスキンケアは、肌トラブルの原因になります。保湿しない方がいいということではありませんが、自分に合った保湿の仕方(保湿のやり方)を知り実践することが大切です。

保湿化粧品は肌へやさしくつける

肌を擦りすぎたり、または強くパッティングしたり、コットンを使ったりする保湿化粧品のつけ方は、ニキビに刺激を与えてしまうことがあります。

 

保湿剤などの保湿化粧品は、手でやさしく肌につけることが推奨されます。

ニキビが治ったあとも保湿を続ける

ニキビが治ったあとも保湿対策は継続されることを推奨します。ニキビケアにとって大切なポイントとして、ニキビができにくい肌を作ることが重要です。ニキビ用のスキンケアで保湿を続けることで、ニキビのできにくい肌環境が整ってきます。

 

保湿とニキビは重要な関連性があると言えます。

保湿ケアと同時に生活習慣を見直す

ニキビ肌を治すには、保湿ケアと同時に生活習慣を見直すことも大切です。欠食、暴飲暴食、間食は良くないのでできる限り控える、1日3回の食事から栄養をしっかり摂取することが大切です。

 

肌の材料のタンパク質、新陳代謝を高めて皮脂量をコントロールするビタミンB2やビタミンB6、血行を良くして肌荒れをなくすビタミンE、便秘の解消に役立つ食物繊維などを積極的に摂りましょう。

ニキビ肌へ使用する保湿化粧品を選ぶポイント

ニキビ肌の方は、自身の肌に合った保湿化粧品を選びます。

 

ニキビ肌の方が使用しても肌へのトラブルが起きないか、サンプルで試してみたり店頭で相談してみたりしましょう。

  • 担当の医師と相談する
  • サンプルやテスターを試す
  • 角質や毛穴対策を考慮する
  • 皮脂対策を考慮する
  • アクネ菌対策を考慮する
  • 10代はテクスチャのオイルフリー化粧水や保湿ジェルを選ぶ

担当の医師と相談する

ニキビ肌用の保湿化粧品は、ドラッグストアのみならず皮膚科などの医療機関や薬局などでも販売されています。現在、皮膚科等医療機関を受診している方は、担当の医師と相談することを推奨します。

 

医薬品の中でも保湿剤のヒルドイドは、処方薬で代表的なものの1つです。ヒルドイドは4種類の剤型(軟膏・クリーム・ローション・フォーム)があります。担当の医師と相談し、自分で塗ることが継続しやすい剤型を選択することが重要です。

サンプルやテスターを試す

どのような化粧品でも、絶対にニキビができないという保証はありません。まずはサンプルやテスター、トライアルセットで試すことにより自分の肌に合うかどうかを確認することが大切です。

角質や毛穴対策を考慮する

ニキビは毛穴の詰まりから始まります。毛穴の詰まる原因は、肌の乾燥からターンオーバーが乱れ、角層が厚くなってしまい古い角質が毛穴を塞いでしまうのです。

 

保湿することで肌の状態をやわらかく滑らかに整え、毛穴の詰まりを防いでいきます。

皮脂対策を考慮する

皮脂によるベタつきが気になるからといって、保湿を控えてはいけません。

 

過剰な皮脂はアクネ菌の栄養源になり紫外線によって過酸化脂質となるため、ニキビを悪化させる原因となります。しかし、通常の皮脂は肌から水分が蒸発することを防ぐという重要な役割があるため、皮脂は肌にとっては必要なのです。

 

適切な保湿により肌の環境が整うので、過剰な皮脂がコントロールされます。

アクネ菌対策を考慮する

アクネ菌の主な栄養源は皮脂などですが、それ以外にも化粧品に含まれている油分も栄養源にしています。油分が多い化粧品を使ってニキビができた場合は、アクネ菌が原因の場合もあります。

 

アクネ菌対策を考慮した化粧品は、オイルフリーのものが多くあります。アクネ菌の栄養源になる油分が配合されていないため、ニキビ肌の方向けになっています。

 

10代はテクスチャのオイルフリー化粧水や保湿ジェルを選ぶ

中学生や高校生などの10代は思春期で皮脂の分泌が多くなる時期です。おでこや鼻、Tゾーンなどにニキビができやすくなります。洗顔をしっかり行っても保湿が不十分という場合があります。

 

オイルフリー化粧水や保湿ジェルを選んで使用することを推奨します。また、テカリやベタつきが気になる場合は、さっぱりしたものを選ぶことが大切です。

ニキビ肌におすすめしたい保湿化粧品の成分

ニキビ肌におすすめしたい保湿化粧品の成分は、抗菌成分・抗炎症成分・グリコール酸、サリチル酸・ビタミンC、ビタミンC誘導体・ビタミンB2、ビタミンB6・ビタミンA・ビタミンE、ビタミンC・E誘導体・ヒアルロン酸・セラミドがあります。

 

ニキビ肌の予防や改善には、ニキビの原因となる毛穴の詰まり・皮脂・アクネ菌の3つの因子にアプローチして、ニキビのできにくい肌環境に整えなければなりません。そのための効果が期待できる成分が配合された、ニキビ用の保湿化粧品を選んで使用することが大切です。

 

それではどのような成分があるのか、ご紹介します。

抗炎症成分であるアラントイン

アラントインは抗炎症成分であり、グリチルリチン酸2Kやグリチルリチン酸ステアリルなどと同じ働きがあります。アラントイン成分が含まれた保湿化粧品を使えば、ニキビや肌荒れなどの炎症を抑える働きがあるため、ニキビを防ぎニキビのできにくい肌環境を整えられます。

抗菌成分である感光素

感光素とは、免疫系やマイクロファージ系を高める作用の働く感光色素の一種です。体内の異物排除の機能を高める働きがあります。

 

やや黄色みがかった結晶粉末であり、光に反応します。強い抗菌性があるため、皮膚の洗浄を目的とした化粧水や傷や炎症の治療目的とした乳液などにも使用されている成分です。

 

角質をケアするグリコール酸

グリコール酸は、細胞の結合を緩め不要になった角質を剥がす働きがあります。毛穴に詰まった皮脂や角質を溶かし、毛穴の開きや黒ずみをケアして除去します。また、ターンオーバーの乱れも整えるとともに、ニキビやその跡の改善も期待できます。

 

ニキビだけではなく、シミやシワにも効果が期待できるグリコール酸は分子が小さいので、皮膚表面の角質層から表皮の最下層部にある基底層まで働きかけることが期待できます。

肌のハリを保つエラスチン

エラスチンとは、コラーゲンと同じように細胞の外で働く繊維状になったタンパク質です。ゴムのように伸び縮みする性質があります。弾性があり、組織に柔軟性を与えられる物質で、肌のハリを保つ働きがあります。

 

皮膚の真皮や靭帯や腱、血管壁等の伸縮性が必要とされる器官に幅広く存在します。加齢に伴って含有量が減っていくことで、シワやたるみの原因になります。エラスチンとコラーゲンはほぼ同じ位置に存在していて、ともに皮下の柔軟組織を構成しています。

皮膚の保護や再生を促すビタミンB2

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変える働きや過酸化脂質の分解に関与したり、脳と肝臓の働きに関与したりする働きがあります。また、皮膚や粘膜の代謝に関与する働きもあり、皮膚の保護や再生を促せます。

 

このビタミンB2が不足すると皮膚や粘膜に炎症が起きる他、舌炎・口内炎・口角炎・疲れ目や目の充血など、皮膚や粘膜に影響が出ます。

抗酸化作用のあるビタミンC

ビタミンCは、その最大の役割としてはコラーゲンの生成と合成ですが、その他に活性酸素を除去する抗酸化物質として、鉄の吸収を促進したりコレステロールの処理をしたりと、ビタミンEのリサイクルの作用として働きます。

 

ビタミンCを内服したとき、肌に作用するビタミンCはとても少量であるため、肌への吸収を望む際には、直接肌に取り入れると効果的です。

 

ストレスや喫煙の習慣があると体内に取り込まれたビタミンCは失われやすく、そして体内に貯蓄しておくことも不可能なので、ビタミンCはこまめに補給していくことが推奨されます。

 

抗酸化作用のあるビタミンE

ビタミンEは、強力なサビ取り効果(抗酸化作用)が注目されています。若返りのビタミンとも呼ばれています。

 

抗酸化作用のあるビタミンEには、脂肪の酸化防止の働きやホルモンバランスや自律神経を安定させる生体機能を調節する働き、血行を促進する働きがあります。

肌のダメージを修復するビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜、目の健康を維持する働きがあるビタミンです。抗酸化作用もあるため健康の維持のみならず、美容やアンチエイジングへの効果も期待できるため、肌へのダメージも修復してくれます。

肌の水分量を保つヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、体内に存在していて加齢とともに減少していきます。肌の水分量を保つヒアルロン酸が減少すると、肌の保水力が低下しハリが失われ、シワやたるみなどの老化現象が起きてしまいます。

 

シワやたるみは、骨の減少や筋肉・脂肪の下垂なども複雑に絡み合って起きる現象です。

肌の水分を保持するセラミド

セラミドは、肌の角質層や細胞の中で水分や油分をスポンジのような状態で抱え込んでいる細胞間脂質です。バリア機能を強化してきめの整った肌に導き、アクネ菌の侵入を防ぐ効果があるため、ニキビ予防に効果的です。肌の水分を保持します。

ニキビ肌に気を付けたい保湿化粧品の選び方

ニキビを予防して改善するには、3つの因子となっている毛穴の詰まり・皮脂・アクネ菌にアプローチする保湿化粧品を使用し、ニキビのできにくい肌環境に整える必要があります。

 

これらの効果が期待できる成分が配合された保湿化粧品を選んで使用することが大切です。しかし、ニキビ肌の方にとって気を付けたい成分が配合されている場合があり、注意が必要です。

具体的な成分が把握できないものを選ばない

化粧品に香りを付与するための香料などには、複数の成分が混ぜて配合されている場合があり、具体的な成分が把握できないこともあります。皮膚のバリア機能が低下している状態にある、ニキビ肌や敏感肌の方には刺激になる可能性があります。

化粧品が自分に本当に合っているか確認する

オーガニックや無添加、自然派などといった文言は、肌にやさしいというイメージがあります。つまり、敏感肌やニキビ肌向けだと思われがちです。

 

しかしオーガニックは有機物という意味で、化粧品の場合は有機栽培された植物由来の成分が多く配合されています。また、無添加化粧品や自然派化粧品というものには定義・基準がないため、商品ごとに意味合いが異なります。

 

言葉のイメージに左右されることなく、自分に合っているかどうかしっかりと試して、使用するかどうか決定する必要があります。

精製度が低い成分は避ける

ワセリンやミネラルオイルなどの鉱物油は、かつての化粧品に精製度の低いものが配合されていたことがあるため、不純物により悪い肌に影響があると問題になりました。

 

現在は精製度の高い成分のみ配合されていますが、精製度の低い成分が含まれている化粧品の使用は避けましょう。

ニキビ肌への正しい保湿対策を行いましょう

ニキビ肌には自身に合った保湿化粧品を選び、本格的に使う前にはサンプルやテスターやトライアルセットなどで試して使ってみましょう。

 

保湿化粧品を選んだら、スキンケアにより過剰な皮脂やアクネ菌の増殖を防ぐとともに、ニキビのできにくい肌に整えることが大切です。保湿剤を組み合わせて使用すると保湿効果が高まるので、役割の違う保湿剤を併用しましょう。

 

ただし、自己流で使っていても効果が得られない場合もあります。使用順序や使用量を正しく守って使うことが重要です。

 

このようにして保湿化粧品は継続して使用することで、ニキビのできにくい肌環境に整えられます。

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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